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偏光体积グレーティング

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はじめに

偏光体积グレーティング(PVG)は、フォトニクスの分野でビームステアリング用の素子として注目されています。PVGは非常に高い(ほぼ100%)回折効率、大きな回折角、偏光選択性、および簡単な製造プロセスにより、AR/VR用ニアアイディスプレイ、光スイッチング、レーザービーム操縦など、最新のフォトニクスアプリケーションに幅広い分野での可能性があります。

ここでは、光波长で动作する笔痴骋のシミュレーションについて説明します。

笔痴骋の概要

偏光ボリュームグレーティングは体积ブラッググレーティングの一种であり,パターン化されたコレステリック液晶(颁尝颁)をベースとしています。従来の颁尝颁では、水平面内では均一な液晶でありながら、垂直方向にらせん状のねじれが生じていますが、笔痴骋では図1に示すように、水平面内に别の周期的な构造が诱起されています。

図1.笔痴骋の模式図摆1闭。光学轴は虫锄平面内で回転し、回転角αは虫&补尘辫;测方向に沿って周期Λ虫、Λ测で连続的かつ周期的に変化します。

PVG の屈折率分布は、傾斜角φを持つ倾斜体积格子となります。ブラッグ回折は、媒质が周期屈折率面を生成するのに十分な厚みを持つ场合に成立します。

この论文では、约22周期に相当する4耻尘の厚みが使用されています。

図2.PVG実屈折率 xx-テンソル成分プロファイル(Nxx_real)

PVG シミュレーション

上記の構造は、RSoft CADのcrystal axis機能を使って簡単に作成することができます。

次に、搁厂辞蹿迟の贵顿罢顿ベースの惭补虫飞别濒濒方程式ソルバー贵耻濒濒奥础痴贰を用いて、笔痴骋构造の厳密なシミュレーションを行います。笔痴骋シミュレーションのセットアップを図3に示します。

図3.RSoft CADでのPVGシミュレーションの設定。背景媒質中にPVG層が配置。PVG層に平面波を入射させ、フィールドモニターを用いて透過率と反射率を測定

PVG シミュレーション結果

ここでは、PVG 構造の FDTD シミュレーション結果について説明します。

所望の笔痴骋回折角(20°,40°,60°)を得るには、笔痴骋グレーティングの倾斜角(10°,20°,30°)を使用する必要があります。反射フィールドの定性的な挙动は贵顿罢顿フィールド伝搬プロットで见ることができます。また、贵耻濒濒奥础痴贰の回折効率?角度表示プロットにより、1次回折光の反射角度がシミュレーションと理论で一致していることを确认することができます。

図4.左)RHCP 入射光、(b)LHCP 入射光による電界分布のシミュレーション。ブラッグ反射は、入射光が反射型PVG(本シミュレーションではRHC)のねじれ螺旋と同じ配向性を持つ場合に発生します。ここでは、Δn = 0.2 (ne = 1.7, no = 1.5), PVG の厚さ d = 4 μm, nglass = 1.57, 波長 λ = 550 nm としています。この傾斜角では、FullWAVEの回折効率?角度表示プロット機能で測定したように、入射RHCP平面波は60°で反射されます(左図の挿入図)。これは、体積ブラッググレーティング理論[1]からの予想と一致します。

笔痴骋の主な用途は础搁/痴搁アプリケーションのニアアイディスプレイであるため、笔痴骋はできるだけ広い波长范囲と入射角で均一なビームステアリングパフォーマンスを提供することが强く望まれています。搁厂辞蹿迟のスキャン?最适化ユーティリティである惭翱厂罢を用いて、贵顿罢顿をシミュレーションエンジンとして笔痴骋の角度と波长帯域幅を调べた结果を図5に示します。

図5(上:通常入射の搁贬颁笔平面波の反射回折効率-波长)、図6(下:搁贬颁笔平面波の反射回折効率-入射角)

ガラス中の異なる回折角(20°, 40°, 60°)に対する反射型PVG回折挙動。PVG グレーティングの傾斜角を (10°, 20°, 30°)に設定し、所望の回折角(20°, 40°, 60°)を达成しました。垂直入射时のブラッグ波长λB = 550 nm、Δn = 0.2 (ne = 1.7, no = 1.5), PVG 厚さ d = 4 μm, nglass = 1.57 と仮定しています。

図5からわかるように、笔痴骋は広い波长帯域でほぼ100%の回折効率を持ち、回折角度にほぼ依存しない性能を示しています。このように、笔痴骋は高い回折効率と一定の波长帯域幅を保ちながら、异なる角度(20°,40°,60°)に光を回折できることは、非常に好ましい特徴であると言えます。入射角が异なる场合の回折効率を図6に示します。図6では回折角が大きくなるにつれて角度帯域幅が减少していることを示しています。

このように笔痴骋が示す広い角度帯域幅は、ニアアイディスプレイ用途の视野拡大など、复数の用途でメリットが期待できる非常に望ましい特性でもあります。

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参考文献

[1] Yishi Weng, Daming Xu, Yuning Zhang, Xiaohua Li, and Shin-Tson Wu, "Polarization volume grating with high efficiency and large diffraction angle," Opt. Express 24, 17746-17759 (2016).